米国で誕生し、日本では東京スター銀行が初めて導入した「預金連動型住宅ローン」。
東京スター銀行をはじめ、関西アーバン銀行や山陰合同銀行など、一部の金融機関にて取り扱いがなされている商品です。
内容は、住宅ローンと同じ銀行に預金をすれば、その預金分は住宅ローンの金利がかからないという仕組みになっています。(金融機関によって多少の違いはあります。)
例を用いて簡単に言うと、住宅ローン借入額が3,000万円で、預金が1,000万円ある場合、差額の2,000万円にしか金利はかかりません。
この話を聞いただけではメリットが大きく思えますが、デメリットもありますので注意が必要です。
そこで今回は、預金連動型住宅ローンのメリット・デメリットについて、お話しさせていただきます。
メリット
メリット
主なメリットは下記の3つが上げられます。
- ・手元にお金を残しておける。
- ・住宅ローン控除を有効活用できる。
- ・団信を有効活用できる。
では、順番に見ていきましょう。
1.手元にお金を残しておける。
通常は預金ができれば、それを繰り上げ返済に充てることによって、住宅ローンの金利の負担を減らすことができます。
(※繰り上げ返済に充てたお金は、もう出金することはできません。)
しかし預金連動型では、預金をするだけで、預金分は金利の負担を減らすことができます。
もちろん「預金」なので、自由に入出金をすることができます。
必要な時に動かせるお金があることは、大きなメリットと言えます。
2.住宅ローン控除を有効活用できる。
住宅ローン控除とは、毎年年末の住宅ローンの残高に応じて、所得税と住民税が控除される制度です。
たとえば、年末の残高が3,000万円で控除率が1%だと、30万円が控除されます。
例として、
- ・住宅ローン残高:3,000万円
- ・繰り上げ返済額:1,000万円
上記の場合、差額の2,000万円が住宅ローン控除の対象になります。
しかし預金連動型の場合は、
- ・住宅ローン残高:3,000万円
- ・預金:1,000万円
上記のようにすると、預金1,000万円分の金利はかからなくなり、さらには住宅ローン残高の3,000万円が住宅ローン控除の対象になります。
このように、住宅ローン控除を有効活用することができます。
3.団信を有効活用できる。
民間の住宅ローンを借りるには、団体信用生命保険(団信)に加入することが条件です。
団信とは、万が一借入者が死亡や高度障害になった場合に、住宅ローンの残高がゼロになる保険です。
この団信を有効活用することができます。
例を用いて説明すると、
- ・住宅ローン残高:3,000万円
- ・繰り上げ返済額:1,000万円
上記の場合、万が一死亡した場合は、差額の2,000万円が団信によりゼロになります。
しかし預金連動型の場合は、
- ・住宅ローン残高:3,000万円
- ・預金:1,000万円
上記のようにすると、万が一死亡した場合は、住宅ローン残高の3,000万円がゼロになり、預金1,000万円は残ります。
このように、団信を有効活用することができます。
デメリット
デメリット
デメリットとしては、そもそも金利が高いことが上げられます。
多額の預金がなければ、結局は通常の住宅ローンの金利で借りた方がお得になるケースがありますので、注意が必要です。
まとめ
まとめ
いかがだったでしょうか?
預金連動型住宅ローンは多くのメリットがある反面、金利が高いというデメリットがあります。
「預金に回せるお金がいっぱいある」といった方には、預金連動型のメリットを生かすことができるでしょう。
何かご不明な点がございましたら、お気軽にお申し付けください。