住宅ローンは、住宅やそれに付随する土地を取得する人のための低金利な金融商品です。
住宅ローンの金利の低さは他のローンの金利と比べてみれば一目瞭然。金融機関によって異なるものの、実に1~3%以上もの差があります。
この差、大きいですよね。
当然のことながら「どうせ新調するんだし、家具や家電も住宅ローンで買えないかな」と考える人も出てきます。
もちろん、現実的にはそんなことは許されません。
ところが、家財を購入するのに必要な費用も諸費用もすべて住宅ローンに組み込んでしまえば、月々の支払いは安定しますから、お得なように見えます。
だから、不動産会社やハウスメーカーの方からそのような提案も少なからずあるのです。
そして、もう一つよく聞くのが、「借金を住宅ローンで一本化できないか」という声。
カードローンや車のローンなど、実は借金を抱えているという人は決して少なくありません。
高い金利で返済を続けるよりも、低金利の住宅ローンで一本化したい気持ちもよくわかります。
しかし、何度も言うように、住宅ローンはあくまでも住宅を取得をする人のためのローンであり、だからこそ低金利に設定されているのです。
他社で借りている住宅ローンの借り換えに利用することは可能ですが、それ以外の借金を住宅ローンで一本化することは、まず不可能だと思っておいた方がよいでしょう。
ちなみに、住宅の購入価格、全額に対してローンを組むことをフルローンといいますが、このように購入価格以上のローンを組むことをオーバーローンといいます。
実の所、オーバーローン自体が法律で禁止されているわけではありませんので、違法行為には当たりません。
住宅ローンで合法的に借金を一本化する方法、
それが、ろうきんの住宅ローン。
地域によって商品名も内容も異なりますが、住宅購入費に500万円までプラスできるという点は大体どこのろうきんも同じ。
例えば、東北ろうきんでは『住宅ローン〈Change500〉』という名称がついており、「住宅新築・購入費用、諸費用、ご利用中のマイカーローン・カードローンなど、各種ローンを500万円まで合算可能」とされています。
なんと、500万円までなら借金を住宅ローンに組み込めるというのです。
その他、近畿ろうきんなら『住宅プラス500』という名称で、借入金を一本化するだけでなく新居で利用する 「家具・家電・カーテンなど」の購入費を含めることも可能。
東海ろうきんでは『住宅ローンまとめトク』という名称ですが、上限は同じく500万円。こちらも、家財、借金、どちらにも利用できます。
元々「この時期に車を買う予定だった」「新居ではこれだけの家財が必要」と、きちんとした計画があって利用するならよいのですが、そうでない場合「どうせ住宅ローンで買えるなら」と不必要に家具や家電、車などを購入してしまう恐れがあります。
いくら低い金利で買えると言っても、借金には変わりがないのだということだけは念頭に置いておきましょう。