住宅ローンのなかには、親子が同居するための「親子リレーローン」という商品があります。
「大きな二世帯住宅を建てて親子で返済していく!」など、借入者の条件に合致すればメリットが大きい商品になります。
ただ、その反面デメリットもありますので、しっかりと仕組みを理解しておくことが大切です。
そこで今回は、親子リレーローンのメリット・デメリットについて、お話しさせていただきます。
親子リレーローンとは?
親子リレーローンとは、一つの住宅ローンを親子で借りて、まずは親が返済していき、そのあと子供が返済を引き継ぐといった、2世代で返済する住宅ローンです。
大きな特徴は、返済期間を長くすることできる点です。
たとえば、親の年齢が60歳の場合、一般的な住宅ローンであれば完済年齢が80歳までなので、返済期間は最大約20年間になります。
しかし、親子リレーローンを利用すれば、返済期間を親子合わせて35年まで延ばすことができます。
借りるための条件としては、「申込者の直系卑属(子や孫)であること」「同居もしくは同居予定であること」などが一般的にあり、その他の条件は普通の住宅ローンと同じです。
ペアローンとの違い
親子リレーローンとペアローンは混同されがちですが、下記の違いがあります。
親子リレーローン
- ・住宅ローン本数:1本
- ・返済者:最初は親で、そのあと子
- ・団体信用生命保険:「子が加入」や「親子で1/2ずつ加入」「親子どちらかが加入」などがある
ペアローン
- ・住宅ローン本数:2本
- ・返済者:最初から親子が同時に返済
- ・団体信用生命保険:親子で加入
親子リレーローンは返済期間を長くするときによく使われ、ペアローンは収入合算して借入額を増やすときによく使われます。
親子リレーローンのメリット
借入期間を長くすることができる
先ほどもお話しした通り、一般的な住宅ローンは完済年齢が満80歳までなので、親が高齢の場合、返済期間が短くなります。
しかし、親子リレーローンを組むことで、最長35年まで伸ばすことができます。
そのため、毎月の返済額を抑えることができます。
借入限度額が増える
収入を合算することができるため、借入限度額を増やすことができます。
合算できる割合は金融機関によって違いがありますが、子の年収を100%合算できる場合や、50%合算できる場合などがあります。
親子リレーローンのデメリット
親子リレーローンのデメリット
団体信用生命保険(団信)への加入に注意
団信とは、住宅ローンの借入者が万が一死亡や高度障害になったときに、住宅ローンの残りを完済するための保険です。
普通の住宅ローンは加入が必須ですが、親子リレーローンでは下記のパターンがあります。
- ・子供が加入
- ・親子それぞれが1/2づず加入
- ・親子どちらか一人が加入
場合によっては死亡や高度障害になった場合に、住宅ローンが残ることがありますので、注意が必要です。
子供が他に住宅ローンを組めない
親子リレーローンは長期にわたって返済していくことが多いですが、その間、子供の生活環境が変化する可能性もあります。
たとえば、ローンを組んだときは子供が独身だったが、その後結婚して妻ができ、そして妻が同居を渋ったとします。
「他に新居を購入したい」と思ったとしても、親子リレーローンの残債があるうちは、新居の住宅ローンを組むのは難しいでしょう。
まとめ
いかがだったでしょうか?
親子リレーローンは条件に合致すればメリットが大きい住宅ローンですが、デメリットもありますので、しっかりと仕組みを理解したうえで、検討するようにしましょう。
何かご不明な点がございましたら、お気軽にご相談ください。