不動産の売却を考えた際、販売価格は、不動産会社の営業が決定すると思っている人がいると思います。
それは間違いです。不動産会社の営業は、根拠の明確な査定額を提示するだけで、最終的に販売価格を決定するのは、売主です。
査定額に明確な根拠が感じられない場合、査定額での販売を断ることができます。
注意することは、販売価格=成約価格ではない事です。
高額な販売価格を設定すれば、高額で成約するというわけではありません。
『売りたい価格』と『売れる価格』は、イコールとなるとは限りません。
販売価格を相場よりもあまりに高く設定すると、問い合わせを頂けない為、販売期間が長期化してしまいます。
購入検討者は、販売が長期化すると『何か欠点があるのではないか?』『少し検討しても決まらないだろう』『様子を見よう』とマイナスの心理が働き成約の可能性が低くなり、売れ残りの物件という印象を与えてしまいます。
さらに、段階的に価格を下げていく事によって、検討している方は少し待てば、また価格が下がるのではないか?とか、大幅な価格交渉のにのってもらえるのではないかと考えてしまいます。
購入検討者は、いつから販売を開始したのかという事を気にします。
自分が人気のない物件を購入するのがいやという心理が働きます。
実際、3年販売をしている物件を購入したいかというと、購入したいとは思わないはずです。
販売開始直後というのは、購入検討者の心理から考えると、『掘り出し物を見つけた!』
『最新の情報だ!』『私たちが一番に見つけた!』『この後、すぐに誰かに買われてしまうかもしれない』というプラスの心理になり、成約になる可能性が高まります。
営業のトークとしても、『販売したばかりの物件です』『今後、多くのお問い合わせが入るかもしれません』と伝えると思います。
不動産売却は、『タイミング』と『ご縁』とそれを後押しする適正価格が成約への近道です。
売主は、自己所有の物件への思いが強い為、自分の想像よりも低い査定額の場合、心理的に受け入れにくいものです。
後悔したくないという気持ちから、売りたい価格(査定価格よりも高い価格)でスタートしたい場合、しっかり販売計画を立てることが大切です。
例えば、売りたい価格 2,000万円、査定価格上限 1,800万円、査定価格加減 1,600万円だとすると、最初の1ヶ月間は、2,000万円で販売し、次の1ヶ月間は、1,800万円で販売、最後の1ヶ月は、1,600万円で販売のように事前に計画を立てましょう。
※上記は一例です。問い合わせの状況や内見の件数を見ながら、売却を進めていくといいと思います。
販売価格を決定する権利は、売主にあります。売却を後悔・失敗しない為には、しっかりとした販売計画と根拠のある販売価格が大切です。